コミュニケーション

自分は評価されているか? 悪夢のツール、LINE

投稿日:2017年3月22日 更新日:

コミュニケーション=ツールとしてLINEを使っている人は多いと思います。電話番号やメールアドレスは教えずともLINEのIDを交換することがあるでしょう。そこで、本稿ではLINEの功罪について述べることとします。

LINEの利点・いつでもどこでも誰とでも

LINEの利点は24時間好きなときに誰にでも、構えずに気軽にメッセージを送れる点です。電話するまでもない用件やメールを打つまでもない用件はこれで十分事足ります。

私は自分から誰かにLINEを打つことは滅多になく基本的には受け身で、誰かからLINEがきたときのみメッセージに答えることが多いです。LINEを使うのは電話をかける用事があるときぐらいのもの。

既に「管理人の日常」で述べた通り、私は昼夜逆転の生活を送っているため、ノリにノッているときは相手が寝ていることが多いです。だから電話する要件があるときは、まずはLINEで「起きてる? 電話で話したいことがあるんだけど」と確認します。「起きてるから電話してきていいよ」と返事があったときのみ電話をかけるわけです。

LINEの罪1:ノイズが増える

LINEの第一の罪は「気楽にメッセージを送れる点」の裏返しで、「いま起きた」とか「おやすみ」など、大して意味がなく答えようのないメッセージが届く点でしょう。

LINEを使うに当たっては、NTTドコモの「パケホーダイ」のようなパケット通信定額サービスを契約している人が多いでしょう。インターネットが普及していない、一般電話しかなかった時代は長話をしたり頻繁に電話をしていると電話代にダイレクトに反映されました。データ通信の定額制は、その問題を解決しました。

パケット定額サービスを使っている場合、それが増えれば増えるほど、メッセージ(「データ」と言って良い)のやり取りの経済的コストは限りなくゼロに近付きます。コストを気にせずにLINEができるということは、それだけやり取りのバリア(障壁)が低くなって情報の密度が薄くなり、ノイズが増えることを意味します。「ああ、軽はずみにLINEを教えなければ良かった」と思ってもあとの祭りです。

LINEの罪2:既読スルー

LINEの第二の罪は、相手は自分のメッセージを読んでいるのに返事がこない「既読スルー」です。これはメッセージが単発かつ発展性がないもので、相手に「これには返事をしないでいいや」と思われたことで生じるのがほとんどでしょう。電話なら「これを教えて」とリアルタイムで双方向コミュニケーションが取れるし(これが電話の利点)、「ありがとう、問題は解決したよ」などと用件が片付いたことがハッキリ分かるため、LINEに言う既読スルーのような事態は生じません。

これは「電子メールの返信で、自分が評価されているかどうか分かる!」でも扱っていますが、相手の返事が欲しいなら「返事が欲しい」という明確なサインを相手に送るようにしましょう。

LINEの罪3:未読スルー

続いて、最も問題となる、「まだ既読がつかない」とイライラ気を揉む「未読スルー」について述べます。

LINEでは、「通知」で設定しておけば新規メッセージが届くと着信音が鳴ります(iPhoneの場合)。このため、いつまで経っても自分のメッセージが既読とならないときは、好意的解釈をするなら、LINEの着信音に気付いていない可能性があります。ですが、携帯電話が故障した、あるいは携帯を紛失したケースを除き、一日に一度もLINEを確認できないのは稀でしょう。

Android端末でどうなのかは知りませんが、iPhoneではLINEのタイムラインに既読を付けることなく新規メッセージを確認できます。したがって、未読だからといって必ずしも相手が自分のメッセージを読んでいないというわけではありません。

いつまで経っても自分が送ったメッセージに既読が付かない場合は、相手がトークを引き継がずに携帯電話の機種変をした、あるいはLINEのアカウントを作り直したケースも考え得られます。もちろん、相手にブロックされている可能性も考えられますが、これらを取りあげていると収拾がつかなくなるため詳しい考察は省略します。

スルーされるのは評価されていないから

先の「いま起きた」や「おやすみ」には「おはよう」とか「おやすみ」とでも返せば良いのかもしれませんが、ここまで無味乾燥なLINEばかり届くようだと相手にするのがイヤになってきます。こうなると、返答のしようがない独白気味かつ自己完結的なLINEを頻繁に送ってくる人の株が下がります。

悪意ある解釈をすると、スルーされている場合は「奴からのLINEには、すぐに答えなくてもいいや。時間ができたときにでも返事をしよう」と、自分が軽視されている可能性を排除できません。逆の立場になって考えてみると、そのことが良く分かります。LINEは、自分が評価されているかどうか如実に分かる、悪魔のツールなのです。


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